夜と霧 [新版] ヴィクトール・E・フランクル(著) 池田香代子(訳) - 多読成功術210 ぼくはここに『いる』:あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術
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2009年01月21日

まず言っておく

この本は読んでない人は読めと。

そして己の思考で何を感じたかを考えてほしい。



そんな、今日の本は

夜と霧 新版
みすず書房
発売日:2002-11-06


【本書にぶつける悩MENU】
収容所という地獄には光があるのか
という視点で読んでいこうと思います。

【目次】
夜と霧
心理学者、強制収容所を体験する
第1段階 収容
第2段階 収容所生活
第3段階 収容所から解放されて


それでは
夜と霧」について
紐解きましょう。




Let's enjoy Reading today
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【紐解き】


■心理学者強制収容所へ
◇名乗る
-名乗って書くということは勇気がいるが
 認識価値を高める

■収容
◇これまでの人生
-すべて否定、なかったことに
 
◇好奇心
-驚きに満足させられる
 人間なにごとにも慣れる
 
◇特定のこと
-特定のことに直面しても分別を失わない者
 そもそも失うべき分別を持っていない

■収容所生活
◇数日
-数日で感動が消滅する『アパシー』という状態

-凍傷で足指が壊死した子供の指をピンセットで抜くのを見ても
 平然とし嫌悪や恐怖、同情、憤りを一切感じない
 心が麻痺してしまう
 
-毎日殴られても何も感じない

◇淘汰
-身障者の場合
 淘汰されることはガス室による確実な死
 
◇飢餓浮腫
-脚はぱんぱんに腫れ
 皮膚は突っ張って曲げられない

◇飢え
-精神生活
 幼稚が呼び戻される
 
◇内に秘めた愛
-人は内に秘めた愛する人のまなざし
 愛する人の面影を精神力で呼び出し満たされる
 「天使は永久の栄光をかぎりない
  愛のまなざしにとらえているがゆえ至福である」
  
◇泣いているバイオリン
-収容されて間もないころ
 泣いているようなバイオリンの音
 数百メートル、数千メートルにいた
 24歳の妻への悲しすぎる誕生日
 
◇決断
-心の地獄、脱出するべきか留まるべきか
 
◇極限状態
-極限状態にもかかわらず「わたし」を見失わない
 英雄的な人がいた
 
◇被収容者
-「人間」自分自身で決めること
 私が私の苦悩に値しない人間になること
 
-苦悩し死で、はじめて人間となれる
 
◇若い女性
-「運命に感謝しています。だってわたしをこんなに
 ひどい目にあわせてくれたんですもん」

「不自由なく暮らし精神についてどうこう考えてもみなかった」
死を悟り、内面性をどんどん深めていった

譫妄状態でときどき幻覚におちているかわからなかったが

「木はこういうんです。わたしはここにいるよ、わたしは、ここに、いるよ、
わたしは命、永遠の命だって…」
 
◇自分の未来
-信じられないものが破綻していった
 
◇生きる意味
-生きることから何を期待するのではなく、
むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを
期待しているのかが問題なのだ、ということを学び、
絶望している人に伝えなければならない。
 
◇苦しみ
-人間は苦しみと向き合い
 この苦しみに満ちた運命とともに全宇宙にたった一度
 ふたつとないあり方で存在している。

◇違反者
-違反者が出た場合
 引き渡して一人絞首刑か
 全員一日断食がと言う選択の際
 後者を選んだ

◇魂の教導
-経験したことはこの世のどんな力でも奪えない
 
◇苦しみ
-いつか過去のものになるのだが、
 まさに過去のなかで、永遠に保存される。
 過去であることも一種のあることであり、
 おそらくはもっとも確かなあることなのだ。

◇自分が苦しみ
-自分が苦しみ死ぬなら
 せめて愛する人間はまぬがれさせてほしい
 
◇監視員
-サディスティックに駆られる

-善意の人もいる
 境界は集団を越えて引かれる

■解放
◇こうむった被害
-取り違え不正を働く者もいたが
 不正を働く権利は誰にもない
 
■あとがき
◇夜と霧
-アメリカの夜という情報操作に包まれたものに
 目をくらませるのでなく目覚めて
 夜と霧を拒否できるように


【感想】

正直
考えさせられる前に、自分が非常に愚かになる。

だって、こうして
自分のことで苦悩できるし
自分のことを考えている暇がある。

素晴らしいものを見て感動できるし
悲しくなったら泣ける。

楽しくなったら笑える。
夢について語り合える。

希望のある未来を描く。

こういたことができる。
それは、とても恵まれたことなんだなぁ…


とても印象に残ったものが

一人の若い女性が
運命に感謝しています。だってわたしをこんなに
ひどい目にあわせてくれたんですもん


不自由なく暮らし精神についてどうこう考えてもみなかった

と死を悟り、内面性をどんどん深めていった

そして一本の木が彼女に語りかける。

著者には譫妄状態でときどき幻覚におちているかわからなかったが

木はこういうんです。わたしはここにいるよ、わたしは、ここに、いるよ、
わたしは命、永遠の命だって…


このやりとりを読んだとき
絶句した後自然と涙が出た。

いる

それがどれだけ貴重なことか
今、この瞬間
存在していることが
どれだけ素晴らしいことか

いる

ことがちっぽけだなんて
考えてしまった時期が僕にもある。

ただ、『いる』というのは
本当に色々な奇跡的な確立が生んでくれた
まさに奇跡なのだ

その奇跡が人の手によって
消されていく

簡単に『死』を語ってはいけない

些細なことで
憎悪の感情や嫉妬の感情
なんていうものに駆り立てられないで
いる』ということに感謝して

少しでも人の為に
人の為にと前に

今、『いる』ことも数多くの犠牲の元
あるのだなと改めさせられる。

看守と収容者の心理状態を描いた映画で
es[エス]
という映画があるが
この映画では心理学の実験で
看守側になる人間
収容者になる人間と分かれて
実験をするのだが
最終的に看守側が暴走し、収容者を
一人殺してしまうという事態に陥る。

こういう人工的な
環境でさえ人を殺すに到るのだから
人間の立たされる環境というのは
非常に人間の心理に重大で

人間の業というものは
ただでさえ、恐ろしい

アウシュビッツ
は想像をはるかに超えた絶望だったのだろう。

果たして僕は
収容所という地獄には光があるのか
どんな絶望の中でも
希望の光を燃やし続けることができるのだろうか

絶望の中を自分を見失わずに生きた側の書が
獄中の人間学なのだが
如何に絶望の中で自分を見失わないかが
本書内で英雄的行為と呼ばれる
己の信念を貫いた人だろう

「美」「夢」「愛」といった
持つのがバカらしいと現在では思われていることを
持つことが

自分という人間を活かす
最大の力だとも感じ取れた。

今、こうして
平和に生きていることに感謝して

これから業の為に
人が犠牲にならないよう祈ると同時に

「夢」や「愛」「美」といった意識をしっかりもち

自分が『いる』こと
この広い全宇宙に
たった一度、ふたつとないあり方で存在している

これだけでもすごいこと。

堂々と胸を張り、生きて生きたいものである。

自分を見失いそうなとき
本書に再び会いにこよう。

多くの悲しみがあったからこそ
今こうして『いる』ことができるのだから。


夜と霧 新版
みすず書房
発売日:2002-11-06


夜と霧
【修寛化】
・視点を変える
 生きることから何を期待するのではなく、
むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを
期待しているのかと考える
 
【後記】
本の感想が相当遅れてしまった。

言い訳かもしれないけれど
本書は僕にそれだけショックを与えてくれた。

と同時にアンネの日記
アンネの日記 (文春文庫)
を読んで
ますます、考えさせられた。

人間、愛を与えることもできれば
絶望をももたらす

複雑で
愚かで、悲しくて、儚くて
妬めて、憎めて
でも、泣けて、笑えて、愛せて

本当に人間という生き物は
不思議なものだ。



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本日も、お付き合い頂きありがとうございました。



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Posted by hiro at 01:21│Comments(2)  
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コメント一覧

1. Posted by 保成   2009年01月21日 11:37
フランクル、私は大学時代に読んでから、人生に影響を与えた本の一つになっています。
フランクルは他の本も素晴らしいですよ!
2. Posted by hiro   2009年01月21日 23:22
>保成さん
コメントありがとうございます!
確かに人生を変えるくらい大きな影響を与えてくれる本ですね。

フランクルのほかの本
読んでみようと思います!

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