刹那という美しさ -333 おもいでエマノン:あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術
あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術 ⇒ 読書刹那という美しさ -333 おもいでエマノン

2009年10月18日


という“時”という時間の中でも大切な
何かを得ることはあると思う。


今回の本は
おもいでエマノン
鶴田 謙二 (著, イラスト), 梶尾 真治 (著)

[Amazonで詳しく見る]


たぶんMasterさんのtwitterのつぶやきのリンクをたどって
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」に行き着き
スゴ本100という特集に魅了されてしまった。


その中で
劇薬本とかは正直苦手なので実質1/90から僕の心を掴んでくれた本が
今回の本なわけで。。。




【目次】

おもいでエマノン
 1967年2月24日午後
 午後5時50分
 午後6時03分
 午後7時前
 午後8時頃
 夜、午後9時か10時頃、そして…
エマノンのおもいで
エマノンのさすらい
あとがき



【書感】

うやって
「字」に起こすこと自体が無謀なのかもしれないが
本書はマンガである。


いや、マンガというよりは画集なのかもしれない。
絵の好き嫌いはあるかもしれないけれど。
僕にとってはなんとも美しい
そしてなんとも丁寧なつくりになっている


物語の内容は
1969年という時代背景の中
失恋をし、傷心の中、主人公であるSFが好きな『僕』が
名古屋から九州までの帰路17時間のフェリーでの船旅の中
一人の女性と出会うというお話だ。


この女性が当時の時代背景を象徴していてなのか
まさに「ヒッピー」であり「フーテン」であり

・すらっとした長い髪
・大きな瞳
・セーターにジーンズ
・常にタバコ
・ちょっとそばかす
・E.Nと書いてあるナップサック

と美しいのだ。
(僕は映像や音楽でしかこの時代を知らないので
大層なことはいえないけれど)


彼女の名を聞くと

「エマノン(EMANON)」
「No name」の逆という名を教えてくれる


“僕”がSF好きでフェリーの中でもSF小説を読んでいたのを
見かけていたため、どんな内容なのかという話から始まり


次第に“僕”の話に興味を持ち始めて
突飛な話をしても、それを受け入れる柔軟な思考を持っていると
判断したエマノンが自分の記憶について話し始める。


エマノンは地球に生命が誕生してから
微生物だったことや原始動物だったこと
魚だったこと、30億年の“記憶”をもっているという。
(まぁ突っ込みどころはいろいろあるかもしれんがSFにそれは野暮)


30億年の記憶を全て持っているということは
どんなにつらいことも忘れられないわけで


それってどんなものなのかは想像もできないけれども
「忘れる」ことをできるということも考え方次第では
ありがたいことなのだなっと。


そして、いろいろな話で二人は盛り上がるのだが


翌朝
エマノンは

「Good morning!
Good-Bye!

EMANON」


というメモを残し消えていく


そして、


13年後、ある駅で
エマノンと特殊な再会をする。


そこで、“僕”は
エマノンになぜあの時、突然去ったのか
と聞くわけ


エマノンの答えは

私 あなたのこと好きよ
多分永遠に忘れないわ

数時間一緒にいても
数十年間一緒にいても

好きだったという
思い出は
私にとっては
同じことなんだもの


続けて


歴史って人類や生命全体の“おもいで”に違いないの


という言葉を残し去っていく。


この言葉はとても深い。


普通の人間であれば大体60年〜80年くらいの時間軸を
生きるわけだから13年というのは長く感じるかもしれないけれども


30億年というあまりに壮大な
エマノンの記憶の中では
数時間も数十年も変わらない「刹那」ということ


でも「刹那」を軽視しているかといえば
それは違っていて
その中に「刹那」の中に自分の中の衝撃を
つくる出来事だってあるわけで
それは「刹那」でも忘れない記憶になるのである。


“僕”はこれからも続いていく
エマノンの記憶に残ったわけで
エマノンに「生命の“おもいで”」であることの気づきを与えたわけだ。


人間は「刹那」をバカにしてはいけないということ
「刹那」な時間だからこそできること
できる目線、できる考えがあるのだと思う。


エマノンは生命の“おもいで”として生きていく
じゃあ、あなたは誰の“おもいで”として生きる?


しかし、物語の内容も僕が書くと陳腐になってしまうのが
もったいないところだが
黙って買って読んでくれ。と言えちゃう本。


本当にいいものだし、更に絵がとても綺麗
エマノンの表情がものすごく豊富なところとか
背景がすごく凝っていたりとか
書き手の力の入れ方が伝わってくる。


こんな素敵な本に出会えたことを
自分の“おもいで”として刻んで
明日に進んでいく。


さて、「刹那」を楽しもうではないですか。


おもいでエマノン
鶴田 謙二 (著, イラスト), 梶尾 真治 (著)

[Amazonで詳しく見る]


【後記】
なんだろうね。
こういうこんなの読んだことないや感を
与えてくれる本は本当に貴重で
僕にとってはとても印象深い本になった。


まぁ自分の「おもいで」とひっかかる部分が
なんかしらあるのでしょうね。
きっと人ってもうある程度進化しきってしまっていて


結局同じことを繰り返すのかもしれない。
それでも、時間は経っていく
だからこそ、もっと瞬間、瞬間を
大切に大切にしていかないといけないのかもしれない。


人気blogランキングrainbow


今日もお付き合いいただきありがとうございました。

Presented by hiro
ブログトップへ戻る

Posted by hiro at 23:02│Comments(2)  
読書 | このエントリーを含むはてなブックマーク | |

スポンサーリンク



トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by Master   2009年10月19日 07:35
そういえば、あのスゴ本100のリスト、まだ全部読みきれていない(笑)

エマノン、ちょっと読んでみます!!
2. Posted by hiro   2009年10月20日 00:09
>Masterさん
まぁ全部を全部読む必要はなさそうですし
既に読んでいる本がきっとたくさんあるのでは?

エマノンは好き嫌いあるとおもいますが
おススメですよん!

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶:
 
 
 
自己紹介(hiroとは?)

管理人の紹介はこちら



本ブログへのお問い合わせがございましたら⇒コチラへどうぞ
web&ブログ内検索
Google
カテゴリ