エネホーダイになる? -368 マグネシウム文明論:あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術
あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術 ⇒ 読書エネホーダイになる? -368 マグネシウム文明論

2010年01月05日

ネルギー資源
石油やや原子力、水力といった資源に
僕らは頼って生きている。

こうやってPCにカタカタ文字をタイプできるのも
そういった資源の恩恵を受けているわけで。


と、なぜこんなことを言い出したかというと


今回の本
マグネシウム文明論
矢部 孝 (著), 山路 達也 (著)

[Amazonで詳しく見る]



精神科医が読み解く、ビジネス・投資・自己成長のヒントになる本」にて
bestbookさんのエントリを読んで購入したわけだが
この本は2010年の一発目に持ってくる意味がある本
と核心したわけで。。。




【目次】

第1章 石油文明に代わるのは、自然エネルギー・水素社会か?
第2章 太陽光からレーザーをつくる
第3章 レーザーでマグネシウムをつくる
第4章 マグネシウムを燃やす
第5章 海水から淡水とマグネシウムを取りだす
第6章 マグネシウム循環社会がやってくる!



【書感】

油文明が終わる、終わると
言われる中、なかなか終りが見えないのは
その資源の採取できる可能性を可採埋蔵量という
現存の技術的に取れる量で計測しているからである。
要は技術が進歩すれば採取できるであろう
可能性が途絶えないという考え方もできる。


ソーラーパワーだと…


ソーラーパネルを使った太陽光発電とかはどうなの?
という意見も
日本の発電量をカバーするには
国土の60%にソーラーパネルを敷設する必要性があったり
且つ、天候が「晴れ」を前提としており、梅雨など雨の多い
日本でソーラーの実運用は現状厳しいというのが著者の見解のようだ。
もっと面積あたりの蓄電などが変わっていくと、この考えを覆せそうなので
ソーラー事業の方には頑張って欲しいところではあるが…


そこで登場するのが…


本書のタイトルになっているマグネシウム
マグネシウムで身近なものだと豆腐をつくる際のにがり(塩化マグネシウム)
だそうだ。にがりでもピンと来ない人はピンとこないだろうけれども…

マグネシウムを燃料としてみると
石炭は燃やすと二酸化炭素、硫黄化合物などが排出されるのに対して
金属マグネシウムは無害な酸化マグネシウムになるだけ。

100万キロワットクラスの発電所が1日に生み出すエネルギーを1気圧の水素で
蓄えると1km×1km×10mという途方も無い大きさのタンクが必要に対して
15m×15m×10mのタンクで収まってしまうという点が優れています。

ただし、1kg 250円という燃料としては高くてコストパフォーマンス的には
正直最悪で現状使い物になりません。


どうやったら安価に生成できるか…


地球という星で大量にある資源というのは何かと考えると
惑星群の中心に存在する太陽からの光、太陽光
そして140京トンという量の海水です。

海水の中に含まれる含水塩化マグネシウムが起点になる。

海水を加熱して酸化マグネシウムと塩酸に分け
できた酸化マグネシウムに塩素を加え
無水塩化マグネシウムを生成して
さらに電気分解することによってマグネシウムを生成する
というのが電解法によるマグネシウムの生成です。

こんな工程をかけてしまうとめんどくさいというか
コストがかかってしまうのではない?
ということで現在マグネシウムを生成するのにこの電解法は
使われておらずドロマイトを原料とするピジョン法が利用されているそうです。
ただ、現行のピジョン法ではマグネシウムの値段は1kg 約250円という水準で
落ち着いてしまっています。

ここででてくるのが「レーザー」
レーザーと言ってもアニメに出てくるようなレーザービームではなく
既に利用されている光ファイバのレーザー、レーザーメスなどを想像した方が
正しいようです。

このレーザーで
海水を加熱してできた酸化マグネシウムを一気にマグネシウムにします。

ほぼ無尽蔵のマグネシウムを
サイクル的に回すことができるようになれば
エネルギーは必要な分だけ使いホーダイになるというのが本書のもっとも
言いたいことだと思います。
(僕自身は専門家ではないので詳細は本書を読んでねに任せてしまいますが…
どうやって実際にマグネシウムで車を動かすかなど図入りで例も記載されているので
読み応えはあると思います。)

弾さんのイベント
通信コストがパケホーダイになったところで
回線が逼迫するほど使い切る人はなかなかいない
なんてお話が出ていたが

このエネルギーもエネホーダイになってしまえば
その一定量を超えるけれども限界まで使うひとなんていうのは
ほぼ皆無になってくるのだろうと思う。
もちろん制限をかけるなどの制度を設ける必要は
あるのだろうけれども。

エコにもなる
エネルギー資源も枯渇しない
エネルギーができてくれば
現行の資源をつかってビジネスをしている人にとっては
いい迷惑かもしれないが
それはエンドが見えてしまっているビジネスでもあるので
淘汰されていくのが正解なのだろうと思う。


怪しさにこそ希望がある。



じゃあこんないいモノを
何故国は手を出さないと
疑問を持つ方も当然いると思います。

まぁそこは正直“人それぞれ”の判断となってしまうかもしれませんが

著者の最後の言葉で
なかにはインチキもありますが、専門家が確たる根拠もなしに批判する研究には、すごいものが含まれていることも多々ありました。ライト兄弟が世界で初めて飛行機を飛ばす直前、名だたる科学者たちは原理的に飛行機が飛ばないことを「証明」していたのです。

とあるように、根拠がなくても、実現が不可だと机上で証明されてもできてしまうことがある
現にあの鉄の塊は飛んでいますしね。


可能性を持つということもありだなぁと広く好奇心を持てる人のほうが
楽しい人生を送れるのでは?
と感じてしまった。

マスコミに今は太陽光がいい
なんて言われて太陽光一色になるのではなく
興味を培って科学を考えることが
「失敗は成功の母」という境地に達するヒントなのかもしれない。


不況、不況という言葉に流されるのではなく
先を見据えて希望を持って取り組むということをしても
いいのかもしれない。


マグネシウム文明論
矢部 孝 (著), 山路 達也 (著)

[Amazonで詳しく見る]


【後記】
なかなか興味深い内容ではあったが自分の知識不足も
否めなかったかもしれない…。

ただし非常に希望を持てる書ではあるとおもうので
知的好奇心を深めたい方には今回の書は是非オススメ。

2010年の一発目がこんな感じですが
本ブログ引き続きご愛読頂ければと思います。



人気blogランキングrainbow


今日もお付き合いいただきありがとうございました。


twitterやってますのでお気軽にfollow me!


Presented by hiro
ブログトップへ戻る


Posted by hiro at 23:51│Comments(1)  
読書 | このエントリーを含むはてなブックマーク | |

スポンサーリンク



トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by mummy-d   2010年04月24日 14:01
こんなのがyoutubeにありましたので、
ご報告まで。
矢部先生、テレビにも出てるんですね。

未来ビジョン『マグネシウム文明論』の矢部孝教授1/2
http://www.youtube.com/watch?v=2uzSktEjdBc

未来ビジョン『マグネシウム文明論』の矢部孝教授2/2
http://www.youtube.com/watch?v=W0b9tieFHAE&feature=related

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶:
 
 
 
自己紹介(hiroとは?)

管理人の紹介はこちら



本ブログへのお問い合わせがございましたら⇒コチラへどうぞ
web&ブログ内検索
Google
カテゴリ