謎の先に産み出す何か -384 利休 茶室の謎:あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術
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2010年02月28日

かを追い求めるために
生涯を費やす。

そして何かを残す

そういう生き方に憧れない
といえば嘘になる

今回の本
利休 茶室の謎
瀬地山 澪子 (著)

[Amazonで詳しく見る]


著者は既に故人になってしまっているのだが

言葉に表す通り
この本には著者の魂が込められている。





【目次】

第1章 韓国で「待庵」に出会う(利休の「待庵」とは何か
わたしと「茶の湯」の複雑な関係
韓国「牙山郡待庵」
とり憑かれた日々
「高麗カコイ」の謎に迫る)
第2章 テレビ番組にする(金先生、来日す
韓国へ予備調査
利休「待庵」を復元する
茶碗 ほか)
第 3章 利休を深める(二つの番組
建築意匠への影響
儒教の香り
虜囚の人々―秀吉・文禄慶長の役)



【書感】

連環という
つながりがあるのであれば
本書は「大人げない大人になれ!」を読んで「本は10冊同時に読め!
に紹介されていた本である。

確かにリンクを作っているが確か
Amazonでの価格がプレミア化してしまっていたので
躊躇していたが安く古本で手に入ったので読んでみた。


本書、「利休の謎」とあるが
著者はNHKのディレクターで番組を作成するにあたって
自分と茶道との関係、茶道と利休の関係。
利休がなんで切腹したか。

また読み手に茶道と朝鮮半島との関係などを
伝えてくれる。


利休切腹の原因



千利休といえば茶聖とも呼ばれる
茶道における型をつくったような人で
織田信長、豊臣秀吉に仕えていたので、信長や秀吉のドラマを見ると
よくでているかもしれない。

で、利休は今では憶測にすぎないが
当時、とち狂った(?)秀吉に命じられて切腹している。

その原因としては

一 大徳寺山門木像不敬事件。
二 売僧の行為
三 利休所持の名物茶道具を秀吉が所望したが、これを拒否したこと。
四 秀吉が万代屋宗安を側室に要求したが、これを拒否したこと、彼女は天正一九年自殺。
五 茶の湯における双方の意見対立。政治家対芸術家。天下一の誇り。
六 政権内部の派閥・権力闘争犠牲説。
七 利休キリシタン説
八 利休が秀吉または家康を毒殺する陰謀を持っていたという説

上記のような説があって本当に「謎」状態。

著者は番組制作にあたり、少しでも利休に迫ろうと
自分なりの解釈として茶道と朝鮮半島との関わりという視点から
仮説を立てて、斬り込んでいく。
夢に利休が出てきちゃうぐらいに
この様は実に興味深く、関心が持てる。


ささやかなユーモアが


「ソンビ」決してBIOHAZARDに出てくるような「ゾンビ」ではない。
「ソンビ」と「ゾンビ」で間違えられたなんてエピソードも
本書には散りばめられている。

こういうユーモアさも忘れない、明るさがあるところが
良い雰囲気をつくってくれる

ちなみにソンビとは
「ソンビ」というのは、みずからの地位を求めず、儒教の学徳高い、高潔な人のことで、漢字では『士』と書きますかねえ。武士の士」
政争に敗れた人が流されたり、時流に逆らってあくまで理想を求めて野にくだったり、さまざまな理由で俗世を捨てたいわば世捨て人があらわれる。それがソンビである。


ということ

茶道の礼儀作法として下記のように書いてあった。
自分のためも含めて記しておこう。

言葉少なく
茶室ではできるだけ言葉少なにする。喋っていいところとそうでないところが区別されていると言ってもいい。特に亭主に何か合図するとき、例えば、最後の人が茶席に入り、「みんな入り終わりましたよ」と知らされたいときは、にじり口を最後に軽く音をたてて閉める。「みんな食事が終りましたよ」と知らせたいときは、箸を一斉にお盆(折敷)に落として合図する。
ソンビはどうするか。言葉が多いのはソンビではないと言われ、行動で示す。祖堂などに入るとき、「ゴホン、ゴホン」と軽い咳払いをして存在を知らせる。食事のおり、貧乏でご飯や酒が欲しくても口に出しては言わない。催促のメッセージは「ウフン」というのみ。つま先で音を立てずに歩き、亭主と客はできるだけ目線をはずす。




霊魂の類は信じていないのだけれども
「魂」の篭った本と出会えて少しわくわくした自分がいた。

著者の夫が最後こんな文を書いていた。
「産み出すという仕事」あるいは「産むということ」をつけていました。この暗示に満ちた魅力的なタイトルは、構成を平明にするため採用できませんでしたが、遺稿を読み返すたびに、科学における問題発見の仕組みを、科学者の主体的な(personalな)暗黙知に求めたM・ポラニの所説を思い起こします。それはまさしく「産む」ということであり、発見に到る彼女の過程は、ポラニの言葉でいえば、ばらばらに見える諸細部を、包括的な存在として包括する視点の模索でした。


こうして著者の最後の「魂」が篭った本は
残るわけだ。

それは秀吉や利休といった教科書に名を残している
偉人の力があってからかもしれない。

でも物事を探求する姿勢というのは非常に大切で
何か一つのことに打ち込むということは美徳
と言われる所以が分からないでもないと感じる自分もそこにいるわけです。


最終的に「書」というものを残すかどうかは
それは、知ったこっちゃないですが
僕自身も何か人の「おもいで」を産み出せる
そんな人を目指して進むのもありかな、なんて思えるわけです。

茶道の夏の花として
"むくげ”という花がある


このむくげと本書の中で再現された待庵
この2つをイメージされて創られた本の表紙がとても素敵だ。


利休 茶室の謎
瀬地山 澪子 (著)

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【後記】
早くも2月は終り、3月を迎えるわけです。
2月最後は暖かくなってきましたが
最終日は寒ぅ…

という感じでまだ春には遠いのかなと思う今日この頃。
ここまで調子いいぞ〜という人はそのまま維持出来るように
全然ダメだったという人は暖かくなるのでまだまだこれからです。

という感じで僕も2月は更新頻度がひどかったので
徐々に加速できるようにしよう。。。な〜んて。


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Posted by hiro at 23:19│Comments(0)  
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