間違った記憶をやめて、効果的な記憶をして脳と楽しく付き合うための6つのポイント - 440 記憶力を強くする:あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術
あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術 ⇒ 読書間違った記憶をやめて、効果的な記憶をして脳と楽しく付き合うための6つのポイント - 440 記憶力を強くする

2010年11月12日

憶力が悪いな〜とか、最近、物忘れが激しいな〜
なんて思うことはありませんか?

そんなあなたには、今回の本
記憶力を強くする (ブルーバックス) ,池谷 裕二、、池谷 裕二のAmazon著者ページを見る、検索結果、著者セントラルはこちら,4062573156


記憶力を強くする (ブルーバックス)

池谷 裕二

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本書は説明が不要かもしれませんが、東京大学准教授の
池谷裕二さんによって書かれた本です。

実は人間の脳は歳を取っても
記憶が低下しない
ようになっているそうです。

じゃあなんで覚えられないか
それは、あなたが脳の特性を理解してなく、勘違いしているから
起きているのかもしれません。



【目次】
第1章 脳科学から見た記憶
第2章 記憶の司令塔「海馬」
第3章 脳とコンピューターはどちらが優秀なのか?
第4章 「可塑性」―脳が記憶できるわけ
第5章 脳のメモリー素子「LTP」
第6章 科学的に記憶力を鍛えよう
第7章 記憶力を増強する魔法の薬
第8章 脳科学の未来


【書感】

識と科学、本書ではまず、科学者である著者がどういう意気込みで
科学しているかが、書かれている。
かつて常識を顧みず地動説を唱和したガリレオは「どうして君は他人の報告を信じるばかりで、自分の目で確かめようとしないのだ」と友人に切々と語ったといいます。研究において一番大切なものは、他人の意見に振り回されない個人の「感性」だということをひしひしと感じさせられます。
ヴィトゲンシュタインという人の「理論哲学論考」に
「語りえぬものについては沈黙しなければならない」
「語りえぬもの」に対峙して「語ってみせよう」という姿勢を貫いているのが「科学」


それは決して自信過剰な自惚れなどでなく、未知なるものに対して自然と湧き上がる衝動と憧憬なのです。とこういう未知への挑戦が本書には書かれているわけです。

では、脳と記憶の関連、どうしたら記憶できるようになるか
6つのポイントで紐解いていきたいと思います。

◆記憶の階層を知る

記憶には階層があることを
知っている人はあまりいないのかもしれません。
まず、この5つを知ることが重要になってきます。

短期記憶30秒〜数分以内に消える記憶、七個ほどの小容量

長期記憶
エピソード記憶・・・個人の思い出

意味記憶(潜在記憶)・・・知識

手続き記憶・・・体で覚えるものごとの手順(How to)

プライミング記憶・・・勘違いのもと?サブリミナル効果


これは米国の心理学者スクワイアによって提唱された
「スクワイアの記憶分類」と呼ばれるそうです。

次の図は、その分類をカナダの心理学者タルビングによって提唱された
「記憶システム相関」の階層です。



階層が下のほど原始的な働きをします。
(手続き→プライミング→意味→短期→エピソード)

人間は他の動物よりエピソード記憶が優れているということになります。
つまり成熟していくうちに上の階層の記憶が得意になってくると
言えるわけです。

この考えは後ほど役にたっていきます。

◆脳科学に基づく記憶の仕方

記憶の仕組みを
本書では事細かに記憶のプロセスを説明してくれています。
今回はコアな部分をガツッと押さえてしまおうと思います。

記憶について本書で述べられているコアの部分です。
記憶の3箇条
何度も失敗を繰り返して覚えるべし
きちんと手順を踏んで覚えるべし
まずは大きく捉えるべし


これはネズミをつかった音の区別の実験が例として
書かれています。

ドとソがなるレバーを置き音を聞かせ、ドを押した時に餌を与える。
これでソを押しても餌がもらえないと失敗をして学習する。
これでドとミや、ドとファというのもわかっていくわけです。

いきなりドとド#で訓練しても聞き分けられず
ドとソをやったほうが覚える速度は速くなります。

このエピソードから3箇条のように
手順をしっかり踏むことが新しいことを始めるときは重要になるのです。


「わかった」に至っているイメージ

◆年齢ごとに記憶の方法が変わることを知る。


脳が変化を
覚えられないのか、それとも覚えないのか
果たしてどちらでしょう。

ちなみに、歳で神経細胞は減っていくがシナプスは増える
つまり、歳をとったほうが記憶の容量が大きくなっていくそうです。

最近、記憶が悪くなったとお嘆きの方に次の言葉が響くことでしょう。
「歳のせいで覚えが悪い」と嘆きます。
この嘆きはたいへんな間違いで、私から見れば、そういう人は単なる努力不足であるように思います。そしてまた、昔自分がものを覚えるために、どれほど努力したのかを忘れているのです。(略)一方、「もの忘れがひどい」とグチをこぼす人がいますが、それもまた、忘れてしまって思い出せないのではなく、単に初めから覚えていないということではないでしょうか。

これは記憶分類を理解していないから
もたらされることではないでしょうか。

脳が、意味記憶から論理だった記憶が得意になっている
と変わったにすぎないのに、いつまでも学校で教わったような
意味記憶をしている。

丸暗記でなく論理的な記憶をというのは
例えば
「1582年、織田信長は本能寺で明智光秀に襲われ自刃」と覚えるよりも

信長が「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり、ひとたび生を得て、滅せぬ者の 有るべきか」なんて詠って自決するドラマのシーンでも覚えていたほうが
記憶には残るわけです。

◆ストレスさえも武器に


また、記憶力を増強すればストレスが減るということにもつながるそうです。
ストレスは記憶を阻害する最大の要因です。
ただし、人間の脳はストレスを記憶できるそうです。

「慣れる」という言葉を使うと思いますが
環境に慣れたり、悪口に慣れたりというのは
実は脳がストレスを記憶した証拠ということです。

なので記憶の天敵なストレスと長々と付き合うことは
非常に良くないわけで、素早く慣れる
ことで記憶力をよくするということを駆使して
強い脳をつくると考えたほうが
ストレスにはさっさと打ち勝てるようです

◆睡眠しないと定着しない。

学生の頃、試験前に徹夜で一気に勉強する
という方法をやっていた方もいるのではないでしょうか。

ここでの詳細な説明は割愛しますが
人が夢を見る「レム睡眠(rapid eye movement,REM)」の時に脳波が
目覚めているように活発になり、体を休ませ
「ノンレム睡眠」の時、脳が休み、体が動いている
という動きをしているそうです。

明晰な「レム睡眠」時に目覚めるのがテスト対策の時、真価を発揮するための
必要条件でしょう。
この周期はおおよそ1時間半で6時間以上寝るというのが
ベターなようです。

眠ることによって
前日失敗続きだったことが眠っている間に学習を助け
できるようになっている
「レミニセンス(追憶)効果」

なんていうものが働きを起こしているというのも
知っておいて損はないでしょう。

そうすれば一夜漬けなんてやめなきゃ
と思えるわけですからね。

とはいうものの、レム・ノンレムのサイクルは
人によって差はあるので、一番目覚めがよかった
という時間をしっかり計測して、最適なものを探したいものです。

なので眠る時間をある程度差っ引いておくというのは
デキる人には欠かせないアクションなわけです。

◆大天才になれなくても・・・

勉強をすれば
しただけ成果がでます。ただ、途中でなんで成果がでないんだ
と諦めかける時期があるはずです。

それは次の写真



目標を1000レベルと決めて勉強を続けていくとします。
人間の成長は1頑張ったら次のレベルが2で
2の人が頑張れば4、4の人が頑張れば8になるということです。

ただ、これだけ頑張っても、64、128かと諦めてしまう時期がきます。
ここで諦めずに根気よく続けていくと
先ほども言いましたが倍々ゲーム

128が256、256が512
そして気づいたら1024になる
とレベルが超える境地にたどりつくわけです。

だから、まず必要なのは「努力」これを継続することが
鍵になります。

向き、不向きというのは、これを続ける力が
あるか、ないか なのかもしれませんが
続けていけば、成長というのは間違いなくあるということ

ただし、天才の域になると
幅も大きくなっていくわけで
一言に天才と言ってもその幅は
想像を絶するものになっているということです。


●最後に

以上の6つのポイントに気をつけていけば
記憶に対して心地よい付き合いができる

学生だったら、意味記憶か論理記憶かが
得意という変化があると思うので素早く見極める。
(これは大人にもいえることですが…)

また、最近、記憶力が落ちたなんて認識している
大人でも記憶力は悪くならないと「認識」することが重要で
記憶方法が悪いのかな、訓練してないなぁ
と理解できれば記憶力は悪くなりません。

ただし、自分で最近「ボケた」なんていってしまうと
自分から脳をサビつかせてしまっているように思います。
まず、自分自身へ「ボケた」なんて言わないことが
大人でも記憶力を高める近道なのではないでしょうか。

他人の意見に惑わされない。
「感性」というものを磨き続けて自分の探求心を高めて
考える、努力する。ということが
自分自身の一生に関わりのある「脳」との
楽しい付き合い方なのではないでしょうか。

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【後記】

記憶や脳についての本は人間万人に共通のテーマなので
興味を非常に引きますが、池谷さんの本は
さすが科学者という文体と同時に
科学者でない人へも読みやすいように丁寧に書かれているところが
すごいなと改めておもいました。

まだ、池谷さんの本を手にとってない方には
おすすめできる1冊です。

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コメント一覧

1. Posted by 片木   2010年11月14日 21:03
記憶の話。エピソード記憶や勉強と成績の関係、いづれも感覚的にはなんとなく感じていたのですが、図やグラフで初めて見える化をしてもらい納得です「記憶力を強くする」。。

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