宇宙規模の「力」と「愛」を - 470 プラネテス:あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術
あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術 ⇒ 読書宇宙規模の「力」と「愛」を - 470 プラネテス

2011年04月30日

と愛の
バランスというのは天秤のように釣り合わせることが難しいのは前に紹介した「未来を変えるためにほんとうに必要なこと」でも書いていたとおりなわけだが。

今回の本
プラネテス全4巻 完結セット (モーニングKC) ,幸村誠,B002YT9U06


プラネテス

幸村誠

[詳細はAmazonで⇒]


プラネテスは宇宙を舞台にデブリ(宇宙のゴミ)拾い屋から木星探査船のクルーになって木星へ行くまでに色々な人と出会い
色々経験していくという話

主人公ハチマキを中心に個性豊かなデブリ回収船のクルー達にスポットライトが当てられている作品であります。





【書感】

と愛のバランスを
マンガで知るには「プラネテス」はとてもいい漫画かなと思う。
舞台は人類が普通に宇宙に出ている近未来の話ではあるが
宇宙がより近づいたこと以外に関しては今の現実と人という点では何ら変わりはないように感じられる。
では「力」と「愛」について見ていこうと思う。

「力」を象徴するもの

力を象徴するキャラクターとして主人公ハチマキをピックアップして読んだ。
彼自身には物語冒頭では「力」がそんなにあるわけではない。
彼の職業は冒頭でも述べたがデブリ回収船のクルー

ただ、デブリ回収船のクルーというのも危険を伴う仕事で
いつかは自分の宇宙船を手に入れて自由に宇宙を駆けたいという野望を持っている。
前半のハチマキはその野望を追求する「力」を求める者として描かれている。

2巻では顕著に「力」に捕らわれる様が書かれていて
木星住還船のクルーの選考に挑戦すしているのだが、
「自分への怒り」が推進力になり
無茶をして根を詰めたようなトレーニングを積んだりして・・・

宇宙船を飛ばすなというテロ組織の爆弾事件にあって大勢の人が怪我しているのにも関わらず
自分はその現場にいても平然と飲みにきているとちょっとおかしくなっていく様が書かれている。

誰しもにはあるか分からないが、この世への「怒り」自分への情け無さに対する「怒り」を力に変えて
邁進するのは悪いことでは決してない。
しかし、自分独りの世界と認識して全てのことを自分の為にと考えるのは間違いな気がする。


全部オレのもんだ
孤独も
苦痛も
不安も
後悔も
もったいなくてタナベなんかにやれるかってんだよ
という「力」に溺れていくといいことなんて無いわけで

そういうパワーって確かに大切なのだが、「力」だけではどうしてもバランスが崩れていき
立ち向かう相手「宇宙」というものの巨大さを知ることになっていくにつれ
更にハチマキの様子はおかしくなっていく。

「愛」

ハチマキとは対極的に「愛」を象徴するのが2巻からデブリ回収船のクルーに加わる
タナベという女性キャラ

愛という名前を持っているせいもあってか
「愛」を大切にする正反対のキャラクターだ。

甘えを捨てて、魂を売ってまでやる価値のある仕事だ
独りで生きて独りで死ぬ、それが完成された宇宙船員だと主張するハチマキを
愛がないと切る。
宇宙は独りじゃ広すぎると。

宇宙船員としての技術はハチマキより数段劣っているし
愛がないと現実的ではない言葉をハチマキに突きつけるしで生意気なキャラとして
ハチマキには写るのだが、ある事件でハチマキが「力」を求めるあまり、人を殺めそうになる時
タナベの愛がハチマキを救うことになる。

その後もハチマキが「宇宙」の大きさを知り精神的に滅入ってしまうときに
心の支えとなってくれるのがこのタナベが起こしてくれた行動で

ハチマキが精神的に滅入ってしまいそうな時でも支えてくれるのが
タナベの「愛」というハチマキが求めている「力」とはまた違う「力」であったりする。

宇宙と女性のパワー

3巻・4巻になると男性キャラクターの存在よりも女性キャラクターの存在がとても強く感じられる。
タナベはもちろん、デブリ船のクルーで年頃の息子を持つ母親のフィー
ハチマキや宇宙飛行士である父ゴローを支える宇宙一家の母の言葉であったり

宇宙は独りじゃ広すぎる
という言葉ではないが宇宙というとてつもなく広い世界でも
包んでしまうのが女性というパワーなのかもしれないな〜

なんて読んでいるとフト思ってしまったりもする。
このあたりはあまり多く書かないので(というか書いてもなんかわけがわからなくなるので)
読んでみて各々が感じてくれればいいと思う。
男頑張れ〜って。

●最後に

「力」だけではダメだし「愛」だけでもダメ。
ただいきなり両方を手に入れることなんていうのも無理な話。

一人で得ようとすると難しいものも、二人であれば、または数人力が合わされば
意外と手に入ってしまうものでもあるかなということに気付かされる。

気安く愛を口にするんじゃねェ

と語るバリバリの職人型のキャラクターもいるわけだが
ハチマキがタナベに支えられ気づいた行き着いた結論は
木星住循環で木星に到着したときの言葉で次のように書かれている。

キツイしあぶねェし人手は足りねーし何より地味だ
金のためにやってんだこんなのは今だけだと よく自分に言いきかせてました
金を貯めたら宇宙船を買ってこの宇宙を自由に駆けまわるんだ
宇宙船があればどこへだって行ける 本当の本当の自由だ

でもスッゲーーーー
がんばんないと宇宙船なんか手に入らない
マジにならないとダメなんだ

だからオレはそれ以外のことはいっさいしないと決めた
それ以外のことを考えるのもやめようと思った

でも

でも

愛し合うことだけが

どうしてもやめられない

いいか悪いかは知らないが

とても強い力だ
核融合なんて目じゃない

人間はみんなスゲー力を持ってんだ

素晴らしいことだし
おそろしいことだとも思う

オレはこの力の使い方もっとうまくなりたいんだ
「独り」でガーッと邁進するような「力」も大切だろう。
しかし、この世、この宇宙というのは独りで進むには広すぎるわけで
「愛」というものを手に入れ、そこから新たな「力」に変えていくのでないかという様が
見られるわけである。

やっぱりハッキリと「力」と「愛」を両立するというわけにはいかないのかもしれないけれど
人間は「愛し合う」という強い力を使うことができるのも事実なわけで
プライドを取って独りでガムシャラにやるのもいいかもしれないけれど
人と手を取り合って進んでいくという道を選択するのもありなのかもしれない。

それは、あなた自身がどう選択していくかに掛かっているのかも知れないのだけれど。

そんな意味でこういう「力」と「愛」とを知っておくのはいいことなのかもしれないね。

プラネテス全4巻 完結セット (モーニングKC) ,幸村誠,B002YT9U06


プラネテス全4巻 完結セット (モーニングKC)

幸村誠

[詳細はAmazonで⇒]





【後記】

漫画の読み方も人様々だろうと思うから、こうやって活字を書いて感想を書くのは非常に
むつかしいところではあるのだが、僕なりの感想を書いてみた。

4巻ほどの短い作品ではあるが、絵は綺麗だし、宇宙を舞台にしているけれど
何か日常と結びついている感がすごいするので読んでいておもしろい作品でした。

こういうGWの間に分厚い本を読むのもよしだし、漫画を読むのもいいかもしれないですね。



twitterやってますのでお気軽にfollow me↓





もしくは


に登録頂けるとありがたいです。

Presented by hiro
ブログトップへ戻る


Posted by hiro at 06:30│Comments(0)  
読書 | このエントリーを含むはてなブックマーク | |

スポンサーリンク



トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶:
 
 
 
自己紹介(hiroとは?)

管理人の紹介はこちら



本ブログへのお問い合わせがございましたら⇒コチラへどうぞ
web&ブログ内検索
Google
カテゴリ