2013年07月05日
83年生まれのメンバーで何かできないかなって思い
「83年会」という会を主催するようになって、はや数年。
皆お忙しいお年ごろなので最近は飲み会だらけになってしまっているのがちとあれだけれども、やっぱり短期的でなく、長く続けていくためにはまぁ活動をちょっと抑えることも大切なのかな〜っと楽観的に考えている次第なのだけれども。
そんな仲間の中から出版デビューを飾ってくれたのが
今回紹介する「督促OL修行日記」の著者である。
(発売日に買ったのに発売してもうすぐ1年になるのに今頃になってしまった…orz)
督促OL 修行日記
榎本 まみ
[詳細はAmazonで⇒]
Kindle版はこちら
怒鳴られ、脅され、謝罪して
の仰々しいトンデモ三拍子が揃う
まさに「修行日記」に相応しい内容なのですが…。
さてさて、行ってみましょう。
「83年会」という会を主催するようになって、はや数年。
皆お忙しいお年ごろなので最近は飲み会だらけになってしまっているのがちとあれだけれども、やっぱり短期的でなく、長く続けていくためにはまぁ活動をちょっと抑えることも大切なのかな〜っと楽観的に考えている次第なのだけれども。
そんな仲間の中から出版デビューを飾ってくれたのが
今回紹介する「督促OL修行日記」の著者である。
(発売日に買ったのに発売してもうすぐ1年になるのに今頃になってしまった…orz)
督促OL 修行日記
榎本 まみ
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怒鳴られ、脅され、謝罪して
の仰々しいトンデモ三拍子が揃う
まさに「修行日記」に相応しい内容なのですが…。
さてさて、行ってみましょう。
【目次】
01 ここは強制収容所?
02 “ブラック部署”の紅一点!
03 ストーカー疑惑と襲撃予告
04 謎の奇病に襲われる…
05 自分の身は自分で守る
06 N本、大抜擢される
07 自尊心を埋める
08 濃すぎる人間修行
09 センパイ武勇伝
10 合コンサバイバル
11 仕事からもらった武器と盾
■「督促」というお仕事
僕が知る著者はアニメなどのコアな話までついてきてくれたり、ビールをとても美味しそうに飲んで場を和ませてくれたり、「督促」がどんな仕事かを、
直接を聞く機会もあったのでなんとなく察していたが、本書を読み蓋を開けてみると、
こんな激務をよく頑張っているな、頑張って続けているなと思う反面。
自分頑張らないとなぁと勇気をづけられていることに気づく。
話を戻し、主に「コールセンター」というフィールドが
彼女達督促OLの主戦場になっており、
お客さんは姿の見えない電話口の人間となるわけだ。
僕自身、システム運用をしている仕事をしているわけで
ヘルプデスクあたりのコールセンターという業務は結構身近で
話を聞いていると、なんで対面じゃない人間ってあんな強気になれるんだ??
フザケンナよっとイラッ☆っとくる時がたまにある。
しかし、一重にコールセンターと言ってもジャンルは多様で、
著者のする「督促」はジャンル的にはコールセンターの中でも
僕がもしやることになったら胃がキリキリして迷うこと無く「にげる」コマンドを選択してしまう、
金融系の督促なのである。
取り立て屋までは言い過ぎかもしれないが簡単に言ってしまうと
電話版取り立て屋って表現もあながち間違っていないかもしれない。
ただし、取り立て屋のようなイメージのようにオゥオゥと相手が見えないわけでズケズケすることもできず、気も使う。
■コールセンターという閉鎖空間的戦場
で、コールセンターの特徴としては(これも品質によるのかもしれないけれど)だいたい郊外にあって、賃金のある程度抑えられて、融通の効く時間などに主婦のパートや若い女性を雇うようになっているそうだ。
その理由は、電話口ともなると、イカツイ男からいきなり電話があったら気分を害したりするわけで、問い合わせがあるだけでNGって場合もあるので基本的には声の高い女性のほうが向いている職と理に適っているわけだ。
だだっ広い部屋にデスクが敷き詰められて、
そこに電話・PCが置いてあり、
何故か低めの天井で閉鎖的な空間に用意されている事が多いそうだ。
そんな空間で、1日500本電話のノルマ!
なんて本書内では書かれていたので電話苦手な僕みたいな人間からすると
地獄絵図とも捉えられてしまうのかもしれない…。(全てが全てそうじゃないにしろだ。)
■不幸を呼ぶ仕事
世間一般の仕事論になってしまうかもしれないが、最初から好きな仕事になんて当たる人は本当に極僅かで、
むしろ最近では好きな仕事というのは受け身では得られないのだろうな
という確信までに僕のなかでは至っている。(要は勝ち取るか、創りだすかか。)
こう考えられるのもある程度仕事というものを経験しなければなれないわけで
思い描いていたものと現実のギャップがあると
「お客さまにありがとう、と言われる仕事がしたいです!」という儚い想いが無残にも打ち砕かれる経験をするだろうし、
と言って面接を受けていた。もちろんこの会社を受ける時もそう言ったのだけれど、「お金を返してください!」なんていう電話がかかってきて「ありがとう」なんて言ってくれるお客さまはほとんどいなかった。
仕事ってなんだろう?とうまくいかない苦しい時期を経験するのは誰しも通る道なのかもしれない。
お金を稼ぐために、生活をしていくために、しなければいけないものだけど、人生にとって仕事がマイナスになっちゃダメなんじゃないの? 仕事が原因で働けなくなるとか、幸せじゃなくなるというのはおかしいんじゃないだろうか。
しかし、人間不思議なもので苦手と思っても、
挫けずに頭を捻り、
工夫を凝らしていくとある時ふと新たな発想が思いつき、
劇的に仕事に対する姿勢が変わるなんてこともあり得るのである。
著者はその「督促」を変えてやるという力がすごく(まぁ、こうして「督促」を良くしていこうと著書にしてしまうだけのパワーがあるわけだし)
本書内の例で言うとお客さん対応をしている中で言われた悪口をノートに記して自分のデータベースを作り上げる「悪口ノート」やしゃべり方をゆっくりすることで自信があるように捉えられ、怒りという空間を中和し穏やかに督促を行えるなんてテクニックも身につけている。
このノウハウだったり、テクニックの部分がわかりやすく、面白くエピソードと交えて本書内で紹介されているのであえてここでは紹介せず、是非本書を手にとって確認してもらえればと思う。
■様々な人間と信用と仕事と
「信用」=「お金」とホリエモンあたりが言っていたが、この発想ってあながち間違っていないと思う。
本書の中で先輩に「督促の仕事の意味」を質問したエピソードが書かれている。
その中で常習的に倒れ、救急車で担ぎ込まれるが、病院代、医療費を踏み倒すことを繰り返し、結果救急車にさえ乗せてもらえないような状態になってしまった男性の話が登場する。
先輩が、実際倒れた男性に対して救急車で搬送してもらうように電話したのだが、当然ブラックリスト入りしているため断られ、わざわざ別の行政区の病院で救急車を呼んで男性を搬送してもらったそうだ。この時先輩が思ったことは
「信用を失うということは命を失うことに等しい。信用のない人は救急車だって助けてくれないんだ」ということで、著者が先輩に対してぶつけた質問の答えとして次のような回答を得たそうだ。
「私たちが相手に嫌われても、怒鳴られても、包丁を突きつけられても、督促しなければならないのは、お客さまの信用を守ることができるから。お客さまの信用を守るのはもしかしたら命を守ることになるかもしれないしね」ひねくれて考えると「こじつけ」かもしれない。けれども、こうやって働く意味がわかると普段確かに直接「ありがとう。」とは言われないかもしれないけれど、その仕事に対して自信が持てるし、「仕事」との距離も変わっていくのだと思う。
実際問題、直接お客さんから「ありがとう。」という感謝のことばを言われる仕事のほうが稀有だったりするので間接的に、どのように役立っているか。どのように社会と関わっているか。というつながりを持てる「仕事のやりがい」を発見できるまではどの仕事をしていても納得できないし、ストレスフルになったり、嫌になって逃げ出したくなってしまうのかもしれない。
でも仕事って結局オカネという対価を貰えるわけで、その対価って信用であり
自分の命を守ってくれるものでもあるかなと思う。
そして自分なりの「仕事のやりがい」を発見出来れば意欲的にもなれるし
仕事が好きになっていくかもしれない。
仕事というあなたの人生の大部分を占めるもの。
時には厳しく、時には残酷に、時には冷徹だったりするかもしれないけれど、
時にはあなたを大きく育てくれるものだったり時には喜びを感じられるものだったりもする。
仕事のことを改めて考えさせてくれるのも本書のいいところかもしれない。
(常にお互いを考えて動けりゃ仕事って苦労しないんだろうけど、人間相手だとそうもいかないよな〜…。)
■最後に
もし、コールセンターで働いていて辛いってことがあれば本書を是非手にとって読んでほしい。
本書はまず、コールセンターで働いている方たち向けに書かれているから、
多少エンターテイメント性は入っているだろうけれども、
著者の丁寧な言葉運びや癒し効果のある(?)独特な4コマは明日への滋養剤に間違いなくなるだろう。
また、社会人成り立てで、今の仕事辛いな、ストレスフルだな、という方にもノウハウの蓄積方法などは参考になると思うの手にとって欲しい。
まぁ、しかしながら、体を張って嫁入り前の女の子が紙パンツ話や諭吉さん3人で顔を隠して女スパイとして全国紙デビューしちゃったりというのは些か不安視されるところではあるが、まぁそこは彼女の信念に共感をもってくれる人々が生暖かく見守ってくれることでしょう。
今後も世間の「督促」を生業にしている人達の星であり続けて欲しいのは本音であるが、如何せん頑張り屋さんなので無理し過ぎないでね…。と思う部分もある。
これからも困難は続くだろう。
頑張っている人に頑張ってというのは正直どうかなと思うのだけれど、
この場では、あえて言わせてもらおう、
頑張れ督促OL、負けるな督促OL!!
督促OL 修行日記
榎本 まみ
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【後記】
本の紹介は大分久しぶりになってしまいました。
ずっと書こう、書こうとはおもっていたのだけれども
タイミングを逃してしまっていたので、このタイミングで。
客観的に書くつもりが無理ゲー状態でした…。
ただし非常に丁寧に纏まっている「督促」エンターテイメントなので
もう大分売れているけど、まだ手に取っていない方、特にコールセンターで働く
若手社員や仕事に意義を感じられない若手社員あたりには(切実に)手にとって読んでほしいです。
にご登録頂けると嬉しいです。
No.506 Presented by hiro
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