2010年03月24日
秘密を抱える人
…何かかっこよさがある。
今回の本は
スパイのためのハンドブック
ウォルフガング・ロッツ (著), 朝河 伸英 (翻訳)
[Amazonで詳しく見る
]
そう、秘密を扱うのには超一級の人達。
『スパイ』が今回の主役である。
何で本書を見つけたかと言うと、
昨日の「野蛮人のテーブルマナー」の中に
引用がされていたからだ。
ホンモノのスパイが書いたスパイの成り方から
スパイの引退後まで
その在り様は普通のビジネスにも通ずるものがある!?
…何かかっこよさがある。
今回の本は

ウォルフガング・ロッツ (著), 朝河 伸英 (翻訳)
[Amazonで詳しく見る

そう、秘密を扱うのには超一級の人達。
『スパイ』が今回の主役である。
何で本書を見つけたかと言うと、
昨日の「野蛮人のテーブルマナー」の中に
引用がされていたからだ。
ホンモノのスパイが書いたスパイの成り方から
スパイの引退後まで
その在り様は普通のビジネスにも通ずるものがある!?
【目次】
【書感】
映画やドラマなどで
スパイというものは描かれることがあるが、ホンモノのスパイがスパイになったきっかけ
スパイになるための志、そして、こうしてはダメだというスパイの引退後
まで書かれているなんとも面白い本である。
今回はスパイの能力、第二の皮膚、スパイと異性という三点を中心に
書いていこうと思う。
項目は次の10項目
これらには各項目ごとに点数がつけられ、あなたのスパイ度を判定してくれる。
なんとも粋な図らい(?)がいきなり読者を楽しませてくれる。
スパイに必要なのは"能力”というよりも普通のビジネスと同じで
『過程』ではなく、残念ながら『結果』が大切になってくる。
本書に書いてあるのは以下の文。
そう、一生懸命やるだけではダメなのだ。
でないと必要な情報源は逃げてしまうし、ひょっとすると命まで落とす可能性だってある。
この考えは誰しもに通じることではないだろうか?
命を賭すということを常にやらないといけないのは
ちょっとおおげさかもしれないけれど、人間生きている以上、
常に目を見開き、耳をそばたてる、女神を呼び込む、いや連れてくる。
これくらいの気持ちが必要なのかもしれない。
スパイ訓練の予習方法として次の文章が書かれていたので
スパイになりたい方は日頃から練習してみてはどうだろうか?
まぁやるのは個人の自由。
やった情報を間違っても自分のブログなどに公開してはいけない。
そして、やばくなったら2だけは厳守しないとまずい。
さすがにあなたの保証はできませんのであしからず。
これは簡単に言うと『別な人間』として生きることである。
所謂、偽装ってやつだ。
この第二の皮膚がしっくりくると判断するのは自分自身。
本書がアドバイスしている正しい偽装は以下の通り、
・偽装はニセ経歴に基づく。(生半可な精通はやめましょう。)
・偽装はあなたの外見に合わせてやる。(虚弱体質で元軍人なんて嘘はそもそも無理なので)
・偽装に利用した人物の外見だけでなく、性格的特徴、性癖をも考慮しなければならない。
(プレイボーイを演じるならヨット、女、シャンペンを熟知するなど…)
・資格を持っていない専門職、肩書きは装わない
・生活様式が偽装に完全に適合していなければならない
・ニセ経歴はできるだけ真実に近いものを
・現地工作員は情報工作に従事している国の法律、規律を細心の注意を払う
・逮捕された場合ときには偽装の中の偽装という詐欺を用いることができる。
・秘密情報部員は目立つべきではない。
(というのは半分正しく、半分間違い、目立ほうが好きな人は偽装を芸術だと思うこと)
偽装するにも「身の丈」にあったものをやるというのが
うまく第二の皮膚を創るコツ。
いったい日常に役に立つのか?と思われるかもしれないけれども
なにか情報を知りたい時というものはこのワザは使えるのかもしれません(?)
彼女、彼が敵側の組織であるという保証は何処にもないわけで
仕組まれた出会いなんてこともあるかもしれないのだ(もはやなんのこっちゃ??)
次に自己防衛方法、相手を監視下に置く。
常時監視なんていうのは無理だから定期的に監視をするということ
美容院に行くと出かけた相手が反対側の喫茶店に行ったら…
(…とどこかの浮気調査みたいになってきた。。。)
スパイに異性というのはとても危険な存在なのだ
疑うばかりで愛する人と過ごすなんてことはちっとも楽しくないのだ。
まぁこれはあくまでも例であって
著者の実体験はもっと素晴らしいものである。
著者は二度結婚に失敗、ガールフレンドも次々と変える始末だった時期
エジプトでスパイ活動を行っていた。
パリからミュンヘンに向かう車中でウォルトロードという女性に出会う。
彼女も休暇でロサンゼルスからやってきていて意気投合
普通なら気晴らしで終わるような3週間の恋だったのだが
その時間がとてもいとおしくなり
葛藤の末、スパイであることを長官などにも許可を取らず告げプロポーズする。
スパイという職業のため
3週間という短期間で知り合った女性を妻になんてことはありえない
この行為は著者はスパイは自分の愛情生活をこのように取り扱ってはならないという例で
記述している。
その後、13年、著者と彼女は共同で多くの手柄をたてた
が、エジプトの秘密警察で受けた処置がもとで彼女は亡くなる。
死については彼女に後悔がなかったか…と悔やんでいたが
この13年という月日"幸運”と述べていた
それは間違いなく著者が幸運の女神の後押しをした結果ではないだろうか。
常に目を見開き、耳をそばたて…
この章は是非、自分の目で見て欲しいのだが、
自ら、そしておそらく他人をも危険な目にあわせるか、まったくなしで済ませるか
二つに一つを決断しなくてはいけないということが重要なのだろう。
スパイの成り方、なんてものがそもそも非現実的なのかもしれない。
しかしながら、著者はいたわけで
全てを疑うのも面白みに欠ける。
こういうリアルがあったことを知り、自分の人生の糧にしていけるのが
読書のいいところではないだろうか。
スパイのためのハンドブック
ウォルフガング・ロッツ (著), 朝河 伸英 (翻訳)
[Amazonで詳しく見る
]
【後記】
今回の本はまとめずらかった…
だけれども、非常にいい本ではある。
でも読み手が考えないとものにはならない本であり、
ちょっとでもスパイにあこがれを抱いたことのあるひとで、まだ未読であれば是非、読んで欲しい。
それくらいいい本ではあるから。
まだまだ鍛錬が必要だ。

enjoy!today!
twitterやってますのでお気軽にfollow me!

Presented by hiro
ブログトップへ戻る
まえがき
第一章 あなたのスパイ能力をテストする
第二章 スパイはどこからやってくるか?
第三章 スパイの養成
第四章 第二の皮膚
第五章 手がかりを与えるな
第六章 スパイと異性
第七章 功績に対する金銭的報酬
第八章 大きな嘘には小さな真実を混ぜよ
第九章 拘置所、刑務所、懲冶監
第十章 引退したスパイ
【書感】
映画やドラマなどで
スパイというものは描かれることがあるが、ホンモノのスパイがスパイになったきっかけ
スパイになるための志、そして、こうしてはダメだというスパイの引退後
まで書かれているなんとも面白い本である。
今回はスパイの能力、第二の皮膚、スパイと異性という三点を中心に
書いていこうと思う。
スパイの能力
本書の冒頭にはスパイ能力のテストがある。項目は次の10項目
1.スパイになりたい主な動機はなにか?
2.あなたは何歳ですか?
3.あなたはどれくらい上手に嘘がつけるか?
4.あなたはどのくらい勇敢か?
5.どうやって情報収集につとめるか?
6.どの程度まで法律に違反したいか?
7.あなたはどれくらい良い友であるか?
8.あなたはどのくらいつきあいがよいか?
9.どういう酒飲みであると自己評定するか?
10.あなたはどのくらい無節操であるか?
これらには各項目ごとに点数がつけられ、あなたのスパイ度を判定してくれる。
なんとも粋な図らい(?)がいきなり読者を楽しませてくれる。
スパイに必要なのは"能力”というよりも普通のビジネスと同じで
『過程』ではなく、残念ながら『結果』が大切になってくる。
本書に書いてあるのは以下の文。
あなたが自分の任務に何週間、何ヶ月の辛い労苦を費やそうとも、どんな危険に直面しようとも、ある人あるいはある物の出現を待って雨に濡れながら幾夜もすごし結局は待ちぼうけをくらわせようとも、そんなことは誰も問題にしない。結果をだし、追っているものをつかまなければ、失敗という判断が下る。「あいつはいいやつだ」皆はそういうだろう。「一生懸命やっているんだが…」しばらくすると、あなたは干されてしまい、誰も望まないような任務しかもらえなくなるだろう。
そう、一生懸命やるだけではダメなのだ。
でないと必要な情報源は逃げてしまうし、ひょっとすると命まで落とす可能性だってある。
秘訣はつねに目を見開き、耳をそばたてていることである。スパイに非番はない。九時から五時までの仕事が欲しかったら、銀行で働くがいい。あなたは、自分の周辺情況に注意を払わなければならない。遅かれ早かれ、誰にでも偶然の幸運が訪れるが、それがやってきたときに逃さないことが肝心である。両眼をかっと見開いて幸運の女神を歓迎し、彼女を働かせ、もしかしたら彼女を少し後押しするぐらいの気構えがなければだめだ。
この考えは誰しもに通じることではないだろうか?
命を賭すということを常にやらないといけないのは
ちょっとおおげさかもしれないけれど、人間生きている以上、
常に目を見開き、耳をそばたてる、女神を呼び込む、いや連れてくる。
これくらいの気持ちが必要なのかもしれない。
スパイ訓練の予習方法として次の文章が書かれていたので
スパイになりたい方は日頃から練習してみてはどうだろうか?
1無差別に人を選び、彼(あるいは彼女)を五、六時間(お望みなら終日)、相手の疑念をかきたてずに尾行せよ。
2もし、尾行に気づかれ、相手に疑惑を持たれたら、追跡を中止し、同じことを他の目標に対して始めよ。
3目標についての次のような情報をできるだけ収集せよ。
a 名前
b 職業
c 結婚・家族の情況
d 住所、勤務先
e 車種(登録ナンバー、製造会社、型式、色)
f 趣味
まぁやるのは個人の自由。
やった情報を間違っても自分のブログなどに公開してはいけない。
そして、やばくなったら2だけは厳守しないとまずい。
さすがにあなたの保証はできませんのであしからず。
第二の皮膚
第二の皮膚と聞くと直感的にはよくわからないかもしれない。これは簡単に言うと『別な人間』として生きることである。
所謂、偽装ってやつだ。
この第二の皮膚がしっくりくると判断するのは自分自身。
本書がアドバイスしている正しい偽装は以下の通り、
・偽装はニセ経歴に基づく。(生半可な精通はやめましょう。)
・偽装はあなたの外見に合わせてやる。(虚弱体質で元軍人なんて嘘はそもそも無理なので)
・偽装に利用した人物の外見だけでなく、性格的特徴、性癖をも考慮しなければならない。
(プレイボーイを演じるならヨット、女、シャンペンを熟知するなど…)
・資格を持っていない専門職、肩書きは装わない
・生活様式が偽装に完全に適合していなければならない
・ニセ経歴はできるだけ真実に近いものを
・現地工作員は情報工作に従事している国の法律、規律を細心の注意を払う
・逮捕された場合ときには偽装の中の偽装という詐欺を用いることができる。
・秘密情報部員は目立つべきではない。
(というのは半分正しく、半分間違い、目立ほうが好きな人は偽装を芸術だと思うこと)
偽装するにも「身の丈」にあったものをやるというのが
うまく第二の皮膚を創るコツ。
いったい日常に役に立つのか?と思われるかもしれないけれども
なにか情報を知りたい時というものはこのワザは使えるのかもしれません(?)
スパイと異性
スパイに限らず、異性問題でビジネスを台無しにする人は結構いる。彼女、彼が敵側の組織であるという保証は何処にもないわけで
仕組まれた出会いなんてこともあるかもしれないのだ(もはやなんのこっちゃ??)
次に自己防衛方法、相手を監視下に置く。
常時監視なんていうのは無理だから定期的に監視をするということ
美容院に行くと出かけた相手が反対側の喫茶店に行ったら…
(…とどこかの浮気調査みたいになってきた。。。)
スパイに異性というのはとても危険な存在なのだ
疑うばかりで愛する人と過ごすなんてことはちっとも楽しくないのだ。
まぁこれはあくまでも例であって
著者の実体験はもっと素晴らしいものである。
著者は二度結婚に失敗、ガールフレンドも次々と変える始末だった時期
エジプトでスパイ活動を行っていた。
パリからミュンヘンに向かう車中でウォルトロードという女性に出会う。
彼女も休暇でロサンゼルスからやってきていて意気投合
普通なら気晴らしで終わるような3週間の恋だったのだが
その時間がとてもいとおしくなり
葛藤の末、スパイであることを長官などにも許可を取らず告げプロポーズする。
スパイという職業のため
3週間という短期間で知り合った女性を妻になんてことはありえない
この行為は著者はスパイは自分の愛情生活をこのように取り扱ってはならないという例で
記述している。
その後、13年、著者と彼女は共同で多くの手柄をたてた
が、エジプトの秘密警察で受けた処置がもとで彼女は亡くなる。
死については彼女に後悔がなかったか…と悔やんでいたが
この13年という月日"幸運”と述べていた
それは間違いなく著者が幸運の女神の後押しをした結果ではないだろうか。
常に目を見開き、耳をそばたて…
この章は是非、自分の目で見て欲しいのだが、
自ら、そしておそらく他人をも危険な目にあわせるか、まったくなしで済ませるか
二つに一つを決断しなくてはいけないということが重要なのだろう。
スパイの成り方、なんてものがそもそも非現実的なのかもしれない。
しかしながら、著者はいたわけで
全てを疑うのも面白みに欠ける。
こういうリアルがあったことを知り、自分の人生の糧にしていけるのが
読書のいいところではないだろうか。

ウォルフガング・ロッツ (著), 朝河 伸英 (翻訳)
[Amazonで詳しく見る

【後記】
今回の本はまとめずらかった…
だけれども、非常にいい本ではある。
でも読み手が考えないとものにはならない本であり、
ちょっとでもスパイにあこがれを抱いたことのあるひとで、まだ未読であれば是非、読んで欲しい。
それくらいいい本ではあるから。
まだまだ鍛錬が必要だ。

enjoy!today!
twitterやってますのでお気軽にfollow me!

Presented by hiro
ブログトップへ戻る
スポンサーリンク
トラックバックURL
コメント一覧
1. Posted by Master 2010年03月24日 07:49
この本、地味に気になってた。
ロールモデルはジェームズ・ボンドなので(笑)
あとで読んで見ます
ロールモデルはジェームズ・ボンドなので(笑)
あとで読んで見ます

2. Posted by hiro 2010年03月25日 02:15
>Masterさん
リアルのスパイはちょっと異なるかもしれないけれど
007がリアルなものからインスパイヤしている部分はおおいかもしれませんね。
是非スパイ度チェックの結果をブログでww
リアルのスパイはちょっと異なるかもしれないけれど
007がリアルなものからインスパイヤしている部分はおおいかもしれませんね。
是非スパイ度チェックの結果をブログでww