煽られる不安感、だからこそ踊るビジネス書。:あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術
あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術 ⇒ 読書煽られる不安感、だからこそ踊るビジネス書。

2012年03月26日

ジネス書。
このブログが生まれたきっかけも「ビジネス書」であり
2008年4月21日が1番最初の記事になっているわけだが、今回紹介する本を紐解くと、
2008年は勝間和代氏だったり、
本田直之氏であったりと
ビジネス書がブームになった異様な時代であることが分かる。

今回の本は
ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書) ,漆原 直行,4839929777


ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)

漆原 直行

[詳細はAmazonで⇒]


「ビジネス書」がご縁で知り合い仲良くさせて頂いているMasterさんが
興味深い記事にしていたのを読んで、これは読んでみなければと思い手にとった本である。

ビジネス書を読んで成功しただろうか?
ビジネス書中毒に陥っているだけではないか?
と自分の胸に手を当てて思い当たる人は読んでみるといい一冊かもしれない。
さて、一体全体どうなることやら…。




【目次】
第1章 ゼロ年代のビジネス書幻想
第2章 ビジネス書の掟と罠
第3章 「ビジネス書」というビジネス
第4章 ビジネス書に振り回される人々
第5章 “そこそこ”賢いビジネス書とのつき合い方
第6章 ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない


【書感】
者はライターの方でよくビジネス書を分析しており
ビジネス書の歴史から、ビジネス書の末路、ビジネス書が謳っている文句に対する反論など
なかなか面白く書かれている。そして、薄利多売の業界であり、仕掛ける出版社側、著者側の意図が「売り手」側の視点が読めるのも興味深い。

今回は、本書で触れられている点と
自分が経験した点を照らし合わせて進んでいきたいと思う。

■近場のアイドル?的なビジネス書著者とビジネス書

本来のビジネス書であれば「自らの実務経験を通じて得た知見を多くの人と共有したい」であったり、「どうしても伝えたいこと・知ってほしいことがあり、それを本の形で世に問いたい」なんて意識があったうちは良かったものの。

・著者の肩書きを持つことで箔をつけ、本業の儲け、宣伝材料に使う
・パーソナルブランディングとして著者となり、有名となり、キャリアアップに繋げる


という傾向が顕著になりはじめ、普通の人からしたらビジネス書=キモい、オカシイ
なんてイメージがついてしまったわけです。

また、本をキーに勉強会やセミナーなどで著者に会えるということが
簡単になったということ、その場で会う著者が周囲にチヤホヤされ、自信に満ち溢れ、
まるで芸能人のようなカッコよさを持つという幻想に溺れ、気づくと一緒に勉強会に参加していた仲間が、周囲が処女作を出版することに!、なんてことになっていき、こんな手近にすごい世界がある、自分にもできるんじゃないか?と錯覚してしまう。

で、大した実績もない人がビジネス書をつくっちゃうものだから、余計にキモい、オカシイが広がるという負の連鎖が進んでいる、面白い本が無くなる、売れなくなる
というわけでやっぱり本来の共有したい、伝えたいというメッセージ性が無ければ駄本カーニバルになってしまうわけである。

どうしても「ビジネス書」を読みたいという人は著者が本書内でよく分析している
ビジネス書、成功哲学のルーツとなる1937年大恐慌の時代に発行された
・デール・カーネギーの「人を動かす
・ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する
あたり

それと「7つの習慣」を読めば楽しめるのではないかと思う。(個人的に7つの習慣は嫌いだけれど、書いてあることはごもっともなのがね〜。)

この3つを抑えてしまえば、今ビジネス書として世に蔓延っている本が
いかにコピー本であり(現代風に解釈しているんだよボケと言われればそこまでだけれど)
「駄本」であることが理解できて面白くなっていくのではないだろうか。
(まぁその3冊が分厚くて読めねえからビギナーは食いついちゃうってのもあるけれど…。)

■アウトプット地獄と言い訳。

読んだ本をアウトプットしろとビジネス書は言います。
確かにインがあったらアウトを意識するのはビジネス上の定石ではある。
ただし、仕事外の活動で仕事関連のことをインして、アウトプットするというのは結構な至難の業で、毎日一冊、必ずブログへアウトプットする

どんどん更新すればアクセス数もあがり、アフィリエイトでの売上もあがり
というのは事実でそれなりに面白いんだけれども、やっぱり自分の本業に影響が出てもいかんし、ブログがストレスになるというのは、あんまりよろしく無いわけである。

プライベートまでストレスになるようなことはやるな

ということにつきます。
疲れたら更新しなければいい。
そもそも書くことが嫌いな人、合わない人だっているわけです。
それを見極められただけでも儲けものくらい軽い気持ちでいいんじゃないですかね?

読んでもらうためのアウトプット?
自分の為のアウトプット?
更新しなければ読んでくれる人に迷惑じゃねと
プレッシャーになり迷走していくわけです。
(はい、私ですね(爆))

はっきり言って書評ブログを続けられるのは
いろんな意味で変人です。(体系化している人はホントすごいよ。うん。)

更新頻度に関しては兎や角言える立場にありませんが、
書く事自体は好きな方だと私自身は自覚できたので
マイペースで焦らず「アウトプット(苦)」ではなく
「アウトプット(楽)」していきたいと思う次第です。

■煽る、煽る、あなたの不安感を煽る

 景況に目を向けてみると、内閣府発表の月例経済報告などでは「底を打った」「回復基調にある」「着実に持ち直し」というような見解が示されているものの、庶民の実感としては、1990年代から続く厳しい経済動向がいつまで経っても上向かないまま。労働環境は相も変わらず左遷やリストラと隣り合わせで、不安感を拭い去ることができません。また、2011年3月の東日本大震災に伴う諸問題も、依然として私たちの暮らしに暗い影を落としています。
 出版業界は、人々の不安感を巧みに煽るようにして、ビジネス書を次々に送り込んできます。これはビジネス書に限った話ではありませんが、いまの出版市場、とくに書籍はアイテム数を多く刊行して、薄利多売でしのぐ傾向が非常に強くなっています。売れっ子ビジネス書作家たちはタイトルでちょっとだけ目先を変えて、中身は焼き直しに次ぐ焼き直しでタイトルを重ねていきます。
 書店のビジネス書コーナーを見回せば、既存の定番ビジネス書を劣化させただけの意味不明な自己啓発書が乱発されていて、そこに効率的に業務を捌いていくための方法論やノウハウ集が折り重なって、まさに混沌とした状況。粗製濫造といわれても仕方ないほどの様相を呈しているのです。いきおい、玉石混淆となってしまうのは当然ですが、確率的に「石」に当たる可能性は高くなるばかり、というわけです。
 (P.182-183)

読んでいれば、ビジネスパーソンとして満足点だ
なんて勘違いの罠に陥らないで欲しい。
結局のところビジネス書なんてのはツールなのである。

どうしてもビジネス書を読みたくなった場合は、書店でパラパラ読むなり、
大げさに「押し」みたいなことをしている本は避ける、書評を参考にしてみる。
などと自分と本との付き合い方をよく考えてみてはどうだろう。

何事にも言えるかもしれないけれど、ブーム的なモノを一歩構えて見られるくらいに
捉えられるとちょうど良くなるのかもしれない。

まぁ駄本を踏みまくって得られる経験もあるって
ただし、ビジネス書は劇薬で
「やる気やポジティブ思考を煽るだけ煽って前のめりな姿勢にさせる一方で、その結果生じる願望と現実のギャップの存在を正面から解説してくれず、それを乗り越える困難さや痛みを説明してくれない」
ということを理解して楽しみましょう。いや、こんなことを説明してくれる本が出たら、その人それぞれに神本キタコレ!と崇められるんではないでしょうか。

■最後に

実を言うと、ビジネス書が私に与えたことは何も悪いことではない。こうやってブログを書くことによって下手なりに文章が書けるようになった。そのことは仕事に役だっているし、年収10倍とまではいかないが確実に給料だって当時よりあがっている。

それにビジネス書を介して色々な人に会えたのは大きいと思うし、なかでも83年会って仲間と出会えたことはその中でも格段に大きいと思う。
同じ時期に、ある意味ビジネス書ブームがなければ会うこともなかったわけで、ホント今考えるとスゲーなと思うのだけれども、そこは良かった点として、前向きに切磋琢磨できる仲間として今後も続けていきたいと思うわけであります。
(貢献度が低くて本当に申し訳ないのですが長い目で見てやってください…orz)

また、金遣いに関しても
家賃は寝に帰るだけだからとボロくて格安のところに引越したり、好きなIT機器は
全力で買いに行ったり、とビジネス書風に言うと自己投資が上手に、自分のストレスなく
できるようになったなぁというのも事実かなと思う。

更に、今目の前のことを粛々とというのも事実だけれども
ずっとこの仕事を続けられるのか、僕の私の人生、これで終わっていいのか
と考えることは煽りとかでなく、真剣に考えて、前向きに取り組むべき課題だと思う。
(これもストレスのかからない範囲で。)

本当にいつ何が起こるか分からない世の中、今日の平和が明日の平和とは限らないわけで
世間が言う、20年先、30年先を考え、怯えることは無いと思うけれども、20代、30代はやっぱりアンテナを高くして、自分を研ぎ澄ますということも大事なのではないかな。

研ぎ澄ます行為が、人と会うことかもしれないし、本と向き合うことかもしれないし、体を動かすことかもしれないし、芸術と触れ合うことかもしれない。それは自分で見つけるしかないしね。

『読書』については本書内に著者がとある経営者(60代)から聞いた話の内容がピンときたので引用しておく。
「話題のビジネス書も読みますが、それは『読書』という営みのなかのあくまで一ジャンルでしかない。だから、もちろん小説だって読むし、歴史書や学術書だって読みます。私は、読書を社員に奨めていますが、ビジネス書だけ読む、みたいな偏った読み方をするなら、むしろ読まないほうがいいと考えますね。ビジネス書だけ読んでいてもビジネスができるようにはならないし、バランスの取れた社会人にはなれない、とさえ思う」
(P.254)
というわけで、何もビジネス書が悪いというわけではない。
『読書』をするのであれば幅広く、自分の糧になるような読書をしていきたいわけである。

ビジネス書に釣られ、踊らされる読書なんてものはやめちまえ!!


ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書) ,漆原 直行,4839929777


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漆原 直行

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【後記】

ビジネス書が言う「成功」が金儲けなのかもしれないけれど
あなたの「成功」はなあに?

って考えるのは大切なことかもしれない。
いや〜ビジネス書のお陰で性格は随分歪んだし。
モノの見方も随分変わったな〜って思う。

あ〜、胡散臭いブログタイトルの私が言うと全然説得力ねぇな〜
まぁ踊らされるのもまた一興だったりするんだよね。結局のところ。



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